調性について

交響曲には必ず「~調」と記されている。
長調は明るく、短調は暗い、というイメージは何となく知っている。
これに「イ」「ロ」「ハ」・・・・が付き、「変」「嬰」が組み合わさる場合もある。
音楽的に理解しようとするととても専門的で挫折してしまうので、このサイトではだいたいの曲の”感じ”を表す記号として認識したい。

吉松隆著『調性で読み解くクラシック』(yamaha music media corporation)にとてもわかりやすい解説がある。
各調のイメージをひとこと表現でまとめているページがあって素晴らしい。

若松隆『調性で読み解くクラシック』での説明。

ハ長調 明るく真っ白なイメージで開放的
ト長調 弦楽器がよく鳴る、春っぱいサウンド
ヘ長調 ホルンが活躍、牧歌的な雰囲気を持つ
ニ長調 神を連想させる、祝祭的な響き
変ロ長調 明るく軽やか、管楽器がよく鳴る
イ長調 ニ長調とともに作曲家に人気
変ホ長調 ベートーベンの影響大、「ヒーロー」のサウンド
嬰ヘ長調 曲例はほぼみあたらず、ポップスで多少あり
イ短調 ストレートな「陰り」が魅力の基本の短調
ホ短調 愁いのある響きでセンチメンタルを誘う
ニ短調 ドラマチックで、「人生」を感じさせる
ロ短調 響きにくいが「暗い宿命」を描き出す
ト短調 暗い響きだが、ダイナミックな曲が多い
ハ短調 光の「ハ長調」と鮮やかな対比をなす影の短調
嬰ハ短調 くすんだ幻想を思わせる響き
ヘ短調 暗く重たい響きの中にドラマ性を帯びる

全体的に専門的内容も読みやすい言葉で説明されている。
ピアノをやったことのある人はもちろん、ブラバンで楽器をかじったことがある人、ギターを弾いたことがある人だったら読みとおせそう。
クラシック音楽を聴きながら手元に1冊持っていることをお薦めする。


吉松隆著『調性で読み解くクラシック』(yamaha music media corporation)。定価:本体950円+税

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